XVLとは
少し前からXVLに関するお問い合わせを頂く事が増えて来ましたので、私共の業務にどのような関連と影響が有るのかを解説致します。
XVLとは
ラティス・テクノロジー(株) が 開発した、3次元データの形状を表現するためのファイルフォーマット(形式)で、ファイルサイズが軽量(約1/100)であることが特徴です。3次元設計情報は設計者だけでなく、様々な部門および部門間で活用していくことが業務の効率化につながりますが、一般的に3DCADは高価格で操作も難しいです。またほとんどの業務で設計情報(面取りや金型を作る為の情報)そのものの編集は必要としていないです。
そこで、同社は専門家でなくても容易に3次元データを扱えるXVL形式(ファイルフォーマット)を開発しました。3DCADで設計したデータをXVL形式で書き出し(又は変換)、様々な業務プロセスで活用していくことは業務効率化に大きな効果があります。
3Dデータを使った設計データ検証、組立指示書、パーツカタログ、マニュアルなどに活用され、素早く形状を確認できる超軽量の3Dビューワーや、実機で行われている試験・検査を3Dデータで行うデジタル実験室的なデザインレビュー(DR)システムなどがあり、世界各国の製造業の業務最適化を支援しています。
主な製品として、
【変換用ソフトウェア】
- XVL Converter Light 複数データをバッチ処理で変換するコンバータ
- XVL Converter Plug-in CADメニューから変換する手軽なコンバータ
- ICAD/SX to XVL Converter ICAD/SXのデータをXVLに変換するコンバータ
- XVL-3ds Max Converter 3ds Maxと連携する双方向コンバータ
【編集用ソフトウェア】
- XVL Studio Pro 大規模アセンブリのデザインレビューに適したビューワ
- XVL Studio Standard 編集機能が充実したXVLの標準ビューワ
- XVL Studio Basic 基本機能を搭載したベーシックビューワ
などがリリースされています。
この他、3D形状を確認する為だけに作られた「XVL Player」は同社のサイトで無償配布しています。
またi-pad,i-phone用も無償配布されています。
要するに!
各メーカーで使用している3DCADはデータ容量が重く、また機密情報であるという事から取り扱いに細心の注意が必要となります。それらを解決するため、以下の方法で3DCADデータをXVL形式に変換します。
- 使用する3DCADにXVL ConverterをインストールしてXVL形式で保存
- 指定形式で保存したデータをコンバーターを使用してXVL形式に変換
指定形式とはIGES / Parasolid / CATIA V4 /STEP / JT /ポリゴンである。
ポリゴンとは3次元コンピュータグラフィックスで、立体の形状を表現するときに使用する多角形。計算のしやすさから、ほとんどの場合に三角形が使われる。ポリゴンの数を増やせば増やすほど表現が精細になっていくが、計算量が増えるため、描画に時間がかかるようになる。一秒間に処理できるポリゴンの数がビデオチップやゲーム機の性能の指標として使われることもある。ファイル形式としてVRML2.0,OBJ,STL,DXF,3dsなどが有る。
自動車メーカーを始め各メーカーが、3DCADデータをXVL形式のデータに変換して様々な部門で、サクサク快適にデータを取り扱えるようにしましょう!と言う動きが随分前から始まっています。また、製品の機密情報に関してもXVL変換時に削除できる事が安心して運用されている要因です。
テクノアートの取り組み
テクノアートはメーカーの財産である設計データを活用し、マニュアルやパーツカタログの製作に於いて全体納期の短縮と、テクニカルイラストとしての正確な形状を再現する事を目的として早期に開発を進めて参りました。 開発当初はマシンへの負荷が高いために3DCADデータの読み込みにも長時間を要しハンドリングもままならない状態でしたが、マシンの処理速度向上とRAMメモリの容量が格段に増えた事で少しずつでは有りますが実績を重ねる事が出来ました。近年、各メーカーがXVL形式の運用開始するに合わせて変換用のソフトウェアを導入し、変換時のエラー解析など検証を重ね対応の準備を進めて参りました。
現在3DCAD関連の保有ソフト7種、取り扱い可能データ形式16種となり、概ねメーカーの使用するスタンダードな3DCADへの対応が可能となりました。
作業フロー
- メーカーからXVLデータ提供_データ確認
- XVLデータの編集・閲覧を行うビューワ、「XVL Studioシリーズ」にて3Dデータを分解・加工し、 線画または画像として変換(書き出し)する。
・仕様に準じて適切な角度設定や構成部品を調整 - Adobe Illstratorで、パーツカタログ・取扱説明書などに使用するテクニカルイラストとして仕上げる。
・陰線処理(線の削除又は加線)、キャプション付与
イラスト完成です