テクニカルイラスト制作において、素材となるものの一つに写真があります。
製品を正確且つ安全に操作させるために「見て分るイラスト」を制作する
テクニカルイラストレーターにとって、写真は品質とスピードを左右する
といっても過言ではありません。写真をなぞるだけの、所謂(いわゆる)トレーサーは腐るほどいますが、
利用シーンをイメージし、どの角度で、何処をどの様に見せ、一目瞭然で
何をすれば良いか分らせる、これらを意識して描画するテクニックは、
テクニカルイラストレーターの言わば醍醐味であると言えます。ただし、描画しなくてはいけない部品が見えていないとか、半分以上が
隠れている、角度が違うといった写真を支給いただく事も有ります。
その場合、指示書の作成とテクニカルイラストの描画に余分な工数を
かけざるを得ず、不本意ながらコストアップに繋がる事も多くあります。ではどうすれば描画に適した写真を撮影できるのか。
ちょっとした事を気にかけるだけで、写真精度は向上します。
ここで本題です。
写真撮影する際に気をつけておきたい8つのポイント。
- 出来るだけ明るく広い場所で撮影する
- 仕上がりと同じ角度で撮影する
- ズームインして画面イッパイに入るように撮影する
- 吹き出し部分は同じ位置から更に対象物に近寄って撮影する
- 手順が連続する場合はカメラを動かさないで撮影する
- カバーや部品の脱着を説明する場合は、パーツの有る・無し両方撮影する
- 撮影対象物の上に原稿や工具を置いて不明部分を作らない
- 出来るだけ3脚を使う
これらを意識して撮影するだけで、工数の低減と品質&スピードのアップに直結します。
- 歪み補正が少なくなる
- 描画に必要な範囲を正確に描画できる
- 手ぶれやピンぼけが少なくなる
- 連続する手順で向きが異なるなど違和感のないイラストが描画でき
支給いただく材料が3DCADの案件が増える中、守秘義務の観点から
写真や紙図面を提供いただくクライアント様へも不変の品質とスピードで
テクニカルイラストを提供するためにも、是非押さえておきたいポイントです。
と言うか、この場をお借りしてこっそりお客様にお願いしてたりもします^^因みに下の写真は、営業12級のMr.Xの撮影です。
ピントの甘さはありますが、歪を最低限に抑えています。
2枚目の写真は詳細部に寄って撮影したものです。
写真を見ただけでその人の性格がわかりますね!
ピンボケしてるとこなんぞ、そっくりでございます。
自分は製図(平面図)から立体形にするという趣向に慣れてしまっているので、写真からのトレースは結構苦戦してました。
その内、練習する機会を作らないと・・・
>Mr.X殿
ホント、写真を撮影したのが私でなくて良かったです。
Mr.X殿にとって撮影技術の向上“も”必須科目です。
>HiEX殿
図面からも写真からも、分かり易く表現するという
部分では同じですね。
図面から書き起こせるという技術は尊敬に値します。
・・・練習する機会、、、作りましょう。
誰も何も妨げるものではありませんから。