心の垣根

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これは朝礼で使用したスピーチの原稿たちである。厚さ1センチにもなるこの紙の束は
私の宝物の一つである。

2006年初頭から始めた有志(殆ど強制)だけの朝礼も今年で4年目となる。
当初は毎週月曜日に行っていたのだが、多忙な業務に集中できない事も有り、徐々に
密度を薄め、現在は月1回の土曜日に定時の45分前に出社して行っている。
それまでは朝礼と言う行事は無く、今も朝礼をやっている事を知らない社員も多い。
あくまでも私の独断で始めたこの朝礼、参加をさせられている者にとっては厄介な事
この上無しといった行事で有ろう。人前で話をするのが苦手なものも居れば、こんな事を
話してバカにされないか気に病む者も居るだろう。 しかし、それらは何のために朝礼を
行うのかが自分自身の中にしっかりと認識されていないからであり、それらは己の心が
勝手に作り上げる心の垣根ではないだろうか。

営業職のみならず、制作現場のオペレーターへも参加をさせたのには訳が有る。
技術職のオペレーターと言っても誰ともまったくコミュニケーションを取らないわけでは
無く、クライアントとの打ち合わせや問い合わせ、提案や折衝など様々なシーンでコミュ
ニケーションが必要となる。このコミュニケーションにおいて最も重要な事は伝える(伝わ
る)
ことと考えている。

意思の疎通を図る事はクライアントの望む成果物を納めるためにもキーとなり、その能力
を磨くためにも朝礼と言う場で自己表現や、他の社員のスピーチから伝えたい事を読み
取ることでコミュニケーション能力を向上させるトレーニングになると考えている。

更に、メールを使ったコミュニケーションが多いIT時代において、状況報告や自分の考え
を正確に伝える為には文章作成能力も必須となる。 ただし、定型の報告書を作成する
ような原稿では無く、魅力ある文章(原稿)の作成を心掛けなくてはならない。

こうした事は我々技術職・制作職に身を置く者にとって肝である感性という内面を磨ける
と考えたので、様々なテーマを与えて朝礼に取り組んできた。

4年目においてその成果は如実に表れていると私自身は見ている。
時系列に原稿を読み進めると明らかに参加した当初と文体や構成が変わって来ている
のである。 また、メールなどでもその変化は明らかである。 私の指導力の無さから意に
反して袂を分かれてしまった元社員たちも、文書作成能力や表現力と言う部分では、私
自身を含めて社内外で高い評価を得ている。

11.2

現在私を含めて6人で行う朝礼は人の入れ替えや増減は有るだろが今後も続けて行く
つもりだ。来年の今頃、たまった宝物の束と成長する後進を見るのが楽しみである。

会社近くに真宗大谷派のお寺が有り、その門前に掲示してある御聖訓はいつも私の心に
鞭を入れてくれる。。。

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私自身は浄土真宗本願寺派だが、お導きは宗派の垣根を越えてお受けするようにしている。

2009年11月2日

企画営業部 川内カツシ

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