PDF電子校正改善への取り組み:TC協会


PDF電子校正向けの校正記号およびコメント入力方法のガイドライン策定

マニュアル作成業務のみならず、あらゆるドキュメントのペーパーレス校正の基準としてTC協会がガイドラインを公開した。

アナログの紙版下からDTPに変化してきた過程で、既にアナログの版下を見た事もない若者が第一線で活躍するようになった。当時は校正記号や校正のルールなどもあったのだがデジタル化されて久しい昨今、各々で校正指示を行われている現場を見ると、このガイドラインは業務の効率化にも繋がると期待するところは大きい。







電子的テキスト校正ツール向けTC分野の過指摘回避辞書構築

こちらもTC協会が公開したもので、校正の際に起きる過指摘(過度な指摘)を回避に向けた用語統一を行った。

メーカー内で標準化されていればガイドラインに沿った校正が可能であるが、事業部単位で異なるようだと基準となるガイドラインは大変有効であると考える。主観色が濃い校正原稿は随分厄介である。無論、「原稿の通りに直します」的な仕事が得意な人は別だが。

過指摘回避用和文用語、過指摘回避用スペルはTC教会のwebサイトからダウンロードできる。

日本語のテキストデータ(欧文で表記される単語などを含む)を対象とした、文法的誤り、表現の不統一、用字用語の表記のゆれ、不適切表現などを指摘するツールを取扱情報の作成業務に活用しやすくする目的で、過剰な指摘(過指摘)を回避するための用語抽出を行っている。






仕事が“重なる時は重なる”という、貴重な体験をしているスタッフが忙しい日々を過ごしている。入社歴の浅い若いスタッフがピン立ちしようと頑張っている姿は頼もしい限りである。時々「大丈夫か?」と声をかけると「はい」という即答は逆に不安になるが。。。かと言って「バッチリです」と聞くと「何が?」となる。

多忙な日々を過ごしているMr.Xの貴重な経験その1_。ある機械メーカーのマニュアル作成中に内校として私にチェック出ししたイラストに赤字修正を入れたのだが、作業後に若干ふくれっ面だったので理由を聞いた。クライアントから出された元原稿には「ヒューズ抜き強調」と書いてあったので、ヒューズボックスからヒューズを引き抜き、宙に浮かせた状態で強調して書くように彼はイラストレーターに指示をした。ところが私のチェック原稿には「なんでヒューズが宙に浮いとんねん!ボケ!」と書かれてあった。

ヒューズ抜き=ヒューズを抜くための工具でヒューズボックス内にヒューズと一緒に収まっている、と言う事が知識として持ち合わせていなかった事が要因と分析する。確かに原稿には「ヒューズ抜き強調」と書いてあり、願わくば「ヒューズ抜きを強調」であろうか。しかし、ヒューズを抜く工具「ヒューズ抜き」の存在を知っていれば1度目に求められたイラストを提供出来たのである。求められたイラストは「ヒューズ抜き」という工具を強調したイラストである。

若者の自動車離れと言う声をよく見聞きするが、何も自動車に限った事象ではなくバイクや自転車、或いは家電製品や身の回りの機会全般から離れているのではないか。ゲームや携帯電話は幼少時代から慣れ親しんでいるものの、機械本体を分解するような子供は殆どいないのではないかと思われる。故に先のような経験値の違いによる貴重な経験をすることになる。

私は昨年のTCシンポジウムにおいてパネルディスカッションの席で同じ事を述べている。マニュアル作成に重要な素養として、

  • ユーザーの目線になる
  • 現場を想定する
  • 製品知識を習得する
  • 機械工学の学ぶ

これらは原稿執筆やイラスト作画を行うに平行して、或いはそれ以前に養うべき素養ではないかと考えている。






2010年3月8日
株式会社テクノアート 企画営業部
川内カツシ

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