「東北への旅行は、自粛しないで行くべきだ」
友人とそんな話をしたのがきっかけで、お盆休みを使って岩手県に行ってきました。
人生2度目の訪問です。
今回は、遠野・花巻・盛岡、内陸部の都市を、観光グルメの旅と称して、じっくり回ってきました。
少しでも涼を感じられるかなと思っていましたが、うだるような暑さと湿気、飲んだものが全て汗で出て行く感じでした。
今回の旅行で一番楽しみにしていたのが遠野バスツアーです。
遠野といえば言わずとしれた柳田國男の遠野物語の里、カッパや座敷わらしで有名なところです。
「がんばろう!岩手!遠野物語めぐり号」と題したこのバスツアーでは、カッパ淵と呼ばれるカッパが棲んでいる小川に連れて行ってくれます。
水木しげるのイラストで埋め尽くされたバスで、日本の原風景のような山あいの道を進んでいけば、
何か不思議なことが起こりそうな予感がします。
座敷わらしが出てきそうな茅葺の家の中で、たたみの上に寝そべってみたり、伝承園というところで、東北地方で信仰されているオシラ様という神様に、願いごとをしてみたり、非日常を経験するには十分過ぎる時間でした。
そして最後にカッパ淵へ。
ツアー客とガイドの10人で恐る恐るその小川の方へ進んでいきました。
期待と不安で鼓動が早くなるのを押し殺して、ようやく到着。
透明な水がゆっくり流れるサ〜ッというせせらぎが、緊張感を高めてくれます。
10分くらい待ったでしょうか。結局カッパは出てきてくれませんでした。
いい大人たちが、カッパが出てくるのを子供のように待っていたあの感じ。
なんかいいなと思いました。
慌しい時間の中でこんな時間も大事なんだなって思いました。
カッパに会えなかったは残念ですが、私にとっては大事なことを気付かせてくれたとても大切なひとときでした。
このあとは、花巻のわんこそば、盛岡の冷麺とじゃじゃ麺、岩手の三大麺をたいらげて、楽しいひと時はあっという間に終わってしまいました。
次に岩手に行くときは、沿岸部の街へ綺麗な景色と美味しいものを求めて行ってみようと思います。
今回、たくさんの東北の人に出会いましたが、素朴はしゃべり方と、がんばっていこうという前向きな表情が印象的でした。
ここからはとても遠いですが、訪れたとこで近く感じることができましたし、逆にパワーをもらったような気がする旅行でした。
2011年10月5日
地図製作部 宮本ひでゆき