ユニバーサルデザインという表現を目にしたり、耳にする機会が増えたように思います。
逆にバリアフリーという言葉をあまり聞かなくなった気もします。
【ユニバーサルデザインの7原則】
私はこれで明確なイメージができましたので、ここで紹介させてもらおうと思います。
- 誰にでも、公平に利用できること
- 使う上で、自由度が高いこと
- 使い方が簡単で、すぐわかること
- 必要な情報が、すぐに理解できること
- うっかりミスや、危険につながらないデザインであること
- 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
- アクセスしやすい、スペースと大きさを確保すること
特定の人を対象にせず、全ての人のためのデザインということです。
カタカナが苦手な私は“思いやりデザイン”と言い換えて見るとスーッと頭と心に沁み込んできました。
今後誕生していくものの多くが、当たり前のようにユニバーサルデザインを採用していくでしょうし、この言葉ですら、もうすでに特別ではないのでしょう。
さて、むかし江戸時代にも、ユニバーサルデザインがあった!と聞くと、信じられますか?
例えば、障子やフスマがそうです。西洋のドアは取っ手で開けるので、手が届かないと空けられないですし、小さな子供ではドアノブに手が届きません。
障子やフスマはというと、どの高さからでも開け閉めすることができます。さらに軽いので、2歳の子供でも老人でも力をかけずに開け閉めできます。
愛宕神社をご存知でしょうか。
この神社の鳥居をくぐるとすぐに石階段が有るのですが、正面の勾配が急な 階段の右側に傾斜のなだらかな階段が併設されています。(ネット検索で「愛宕神社 男坂女坂」で画像検索すると出てきますのでご確認ください)
ここにユニバーサルデザインが見て取れます。右に伸びている階段です。通称「女坂」と呼ばれる、なだらか階段で、身体の弱いお年寄りや、女性や子供が利用できるようにするために、そんな理由でわざわざ作られたものです。
この女坂は愛宕神社に限ったものではなく、高台にある神社によく作られたそうです。
誰でも参拝できるようにとの、ユニバーサルデザインだと思います。
ちなみに正面の階段ですが、「女坂」に相対して、「男坂」と呼ばれているのですが、楽をせずに「男坂」を登った方が、ご利益があるということで、あえて「男坂」を登る女性や老人が多かったということです。
テクノアートが作るドキュメントの全てが、読み手に配慮した分かりやすい“思いやりデザイン”になるよう心がけて製作に取り組みたいと思いました。
2011年10月22日
地図製作部 宮本ひでゆき