先日のエントリー「テクニカルイラストの価格」をアップした後に”その通り!”と思わず膝を叩いた記事が有ります。
「デザインはなぜ無報酬とされたのか」
コレは先日大阪の天王寺区が「天王寺区広報デザイナーを募集」し、ネット上で騒がれたことを受けて執筆されたもので、実によく分析されているし制作者(特にデザイナー、イラストレーター)のポジションと価値、制作物の対価について分かりやすく書かれています。
筆者の”デザインは設計である”、”芸術とスポーツは同じ”、”デザインとボランティアを一緒にしてはいけないわけ”などは目から鱗でした。
出来上がったものと価格だけを見て、「結構しますね」と言うメッセージを目にします。
デザインって見る方の好き嫌いで判断する事も少なからず有り、あっさりしたシンプルなデザインだと物足りないだとか、もっとグラフィカルに、と言ったご要望も耳にします。 ただ、そこには根拠が有ってデザイナーの好き嫌いが入ることは有りません。ヒアリングした内容に沿って実際に現場でソレを目にする方(一般消費者、ユーザー、、、)の目線でデザイン(設計)します。 でも哀しいかな、そもそものコンセプトやデザイン根拠は遥か彼方〜〜〜〜〜だったりするのです。。。
テクニカルイラスト然り、余分な線を省略してポイントを押さえて分かりやすく描画するには、利用シーンをユーザー目線でイメージすることが必須です。そこにはテクニックとノウハウが必要なわけで、何でもかんでも省略して書けばよいというものではありません。ところが哀しいかな、「こんなに線の数が少ないのに高いなぁ」という残念なご指摘を受けることが有ります。 写真のまんまトレースするトレーサーの作業と、テクニカルイラストレーターの仕事とは技術力、表現力に於いて差が生じます。その”仕事”に伴う対価も差が生じて然るべきと考えます。
掲載するマニュアルの仕様、ユーザー、利用シーン、全体の流れ、横展開している商品との整合性、、、等々の情報を元に最適な仕上がりを提供しているのであり、決して楽して儲けろ根性は持ち合わせていません。
とは言え、なぜこの価格になっているのか?このデザインの根拠は何か?と言ったことの説明責任は我々に在るものですから、先の記事を読んで改めて主張すべきは主張し、説明力を鍛えて価値ある仕事(設計)をしたいと思っています。