地理情報とは簡単に言えば、地図の上に様々な情報を載せたものです。
- 少しアバウトすぎましたが、例えば、天気予報図も本当は地上天気図という白図の上に等圧線や寒冷前線などの前線名や高気圧・低気圧などが記載されたものがあります。
これを基に今日の天気を予報しているわけです。
また日本各地の主要なポイントで風力や気温などのデータを収集・解析して、台風情報や、今の季節ですと桜開花予想などを導き出しています。
これらも地理情報の一つです。
- 最近では地理情報システム(略称:GIS)の名前も様々なところで目にする機会も多いでしょう。これはありとあらゆる地理情報のデータをコンピューター上で収集・保存・解析・活用するシステムです。
- 皆さんがよく使うグーグルマップのストリートビューも実踏調査の膨大な画像データを解析、配置することで、まるで実際にその場にいるかのような見た目を実現しています。
余談ですが僕はこれまで数回このグーグルカー、車体の上に360度カメラを載せている車の実物を見たことがあります。
グーグルマップが出始めたころはカメラは円筒形でしたが、数年前に見たときは サッカーボールみたいに凸凹した球状のカタチでカメラが色々な方向に付いていました。
よくネットで出回っているような派手なデザインやGoogleの会社名もなく、単なるプリウスでしたので、初見では何載せてんだ、この車?と思った記憶があります。
- さて以前は手作業・紙で管理していた大量のデータもまとめて保存・利用が可能となり、時間軸など色々な角度から解析することで有効な情報を入手できるようになりました。
次は実際にどう活用していくかですが、行政面で言えば、各地方自治体などはこのGISシステムで、地域の都市計画情報や土砂災害危険箇所などを公表しています。
ただこれは道路、上下水道、都市計画など特定の業務のために構築されたもので、別部門や各地域ごとの繋がりがないため、部署間の不整合や情報のばらつき・重複が生じていると言われています。
そのため現在は統合型GIS、共通の地図の上に、道路、上下水道、都市計画など各部署で使用する地図情報を統合・維持管理していくシステムの構築がなされています。
- 地図面では国土地理院が地理情報の基となる地図の電子化を推進しており、誰もが利用可能な共通の白図として基盤地図情報の整備を行なっています。
これは業務の上でも非常に役立たせて頂いており、とても助かっています。
- 今注目されているクルマの自動運転にもこうした基盤地図が密接に関わってきています。基礎となる地図面がしっかり整備されていないとその上に載せる、信号や一方通行といった交通情報が役に立たなくなるからです。
実際は基礎の地図面に、見通しが悪いカーブや、飛び出しが起きそうな集落の中の細い道、一時停止など様々な地理情報を重ねていくことで有効なデータとなり、その上に自動運転に対する細かな対応がリンクされるはずです。
少し前にクルマの自動運転と聞いたときは、散歩している犬と積まれているビールケースや、子供を載せている自転車と歩道に停めているだけの自転車の区別が付けられないだろう、まだまだ夢物語かと思っていました。
ところが最近のクルマの多くに人や壁の手前で急停止する、駐車場でアクセルとバックを間違えても発進しないといった【スマートアシスト】が付けられているのを聞いて、もしかして意外に早く完全ではなくても実現できるのかもしれないと思い楽しみにしています。
2017年4月10日
地図制作部
MApNUB(MANABU)