「作業と仕事を切り分けましょうや」
この言葉に救われた思いだった。
専門的な知識と経験が必要とされる案件を受注しようとしている。 現場では当然ながら熟練の専門家が全面的に仕事に関わるべきと考え、コスト計算をして見積を出すが先方のターゲットプライスと差が生じた。 受注当初は採算に乗せれない事は覚悟していたが、余りの開きに腕組みして考え込んでいたところへ掛けられた言葉だった。
「作業と仕事を切り分けましょうや」
つまり、今回の案件には専門知識を要する部分とそうでない部分が混在しているので、それらを切り分けて、作業部分は作業者へ、専門知識と技術を要する部分は熟練者へ配分すると言うのだった。専門知識を要する作業であっても、若干のレクチャーをすれば作業カテゴリーへ分類する事が出来る。
従って専門知識を要する部分と管理項目のみを熟練者が行えば、作業コストを抑える事が出来て採算ベースに乗せられると考えた。
職種を問わず専門的な技術職に着く人間は、それ自体が好きな人が多く、単純作業が織り交ぜられた仕事も苦と感じる事無く黙々と行えてしまう。そこに落とし穴が有る。本当に専門的な知識と技術を要する仕事に特化し、作業エリアは適材適所を割り当て、工数と利益の部分にまで責任を持つ者こそが、会社側から見た「仕事人」であるとの見解だった。掛った工数だけ請求をして良いと言う案件は無いのだから、利益を出す為にはどうすれば良いか?を考えて作業フローを組むことも管理者の務めであろう。
ところが得てして専門家は管理業務を避けてしまい、管理者の肩書と責任よりも現場レベルでの作業の熟練者というポジションを好む傾向が強いようである。
「作業と仕事を切り分けましょうや」
今回の案件に限った事では無い。
「作業」と「仕事」の切り分けをするよりも自分でやった方が早いし面倒くさいと感じるが、そこに取り組まなければ仕事は他所へ流れて行くし、企業の成長は止まる。
また教えて貰った。
年齢と肩書だけが先行して、マネジメントが周回遅れの今日この頃。 こうやって言葉と刺激を貰える事に感謝。
マネジメントは真似ジメントからである。
2010年7月24日
企画営業部 川内カツシ
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